それからも浩介くんは、放課後になると
いつも教室に来てくれて、2人並んで
歩いて帰った。

何も聞けないまま…

相変わらす安藤くんは浩介くんに
野球部に戻るように説得していた。

そんなある日のデート

たまたま通りかかった道に全国高校
野球の実況中継が映されていた。

ゆっくり立ち止まって画面を見る君。

…あ!聞くの忘れてた!
どうにか戻ってくれるように説得も
しないと…

「あのっ、浩介く…」


私は言葉を止めた


あまりにも

君が真剣に画面を見つめていたから。


「浩介くん…」

「……あ、え?なんだっけ?ごめん、
ボーッとしてた」


私はフフっと笑った。