「……はぁ」

浩介くんはタメ息をついた。

「どうしたの?」

「やっぱり俺が先に言えば良かった。

俺、お前と別れる気ないから!」

「そうですか……」

……やっぱりそうだよね。

……………

「ぇえ!!?」

今のって…

「やっぱり俺、野球が好きだ!

それに気づかせてくれたのはお前だ。

あの時も、全力で戦ったんだ。
負けるのがわかったから諦めるんじゃ
なくて、

負けることがわかってても

最後まで手は抜かないって。

それで、負けた。

だけどやっぱ後悔はなかったから

良かったって思えるよ。

だからもう辞めてもいいって思った。


でも


なんでだろ

またやりたいって思うんだ。

それだけ野球が好きなんだな。
野球好きだ。

でも

朱里のことも好きだ」


…ドキン

「ーーーー…え…っ」

「練習漬けで一緒に帰れなくなる。
デートもできなくなる。

寂しい思いさせるかもしれない。

でも、好きだから

それで良かったら俺と付き合って」