「……――上等だし」


不敵なその笑みに心臓がどうかしてしまいそうなほど、激しく暴れ出した。


こんな時まで余裕そうな笑みを浮かべるなんてズルすぎる。


あたしはもう、全然余裕なんてないのに。


「……――痛かったら無理せずに早めに言えよ?」


「早めに……?」


「あぁ。俺の理性が保たれてるうちに」


あっ……。それって、魁一も余裕がないってこと?


何か……ちょっと嬉しいな。


「……――っ!!」


「大丈夫か?」


「うん……。大丈夫だよ」


だって、痛み以上にこんなにも幸せなんだもん。


これ以上ないっていうほど、あたし、幸せなんだ。



あたしはギュッと魁一の背中に腕を回して、体中に訪れる幸せに酔いしれた。