「んっ……」


自分のものとは思えないほど甘ったるい声がシーンと静まり返った部屋に響き渡る。


あまりの恥ずかしさにあたしは手の甲で口を押えた。


「声、我慢すんな」


「だってっ……、恥ずかしいんだもん……」


「莉奈の声、聞かせろって」


あたしの手をそっとどかすと、魁一は指を絡ませた。


ギュッと握ると、すぐに魁一が握り返してくれる。


何か……今、すっごい幸せ……。


怖いと思っていた行為が今は全然怖くない。


むしろ、すごく幸せで。


多分それは、魁一のおかげ。


だって、魁一の優しさと愛が全身に伝わってくるから……――。


「んっ……!!」


魁一の唇があたしの全身を熱くする。