「ゼロ。もう待たねぇから」


魁一の言葉と同時に、今度はあたしが魁一に抱きしめられた。


「……――魁一、大好きだよ」


恥ずかしながらそう口にすると、魁一はあたしの背中に回す腕を緩めた。


「俺も莉奈が好きだ」


あたしを至近距離で真っ直ぐ見つめる茶色い瞳。


低くてかすれたその甘い声。



「……――んっ」


あたしは魁一からのキスを目をつぶって受け入れた。