「…おじいちゃん!」




僕は思わず叫んでしまった。




「え!?親類なの?
困るなあ、注意してもらわないと…」



そんなような事を言っていたような
気がするけど最後まで聞かずに
僕は夢中で河の端まで走っていった。





「……おじいちゃん!」




「お、康介か!久しぶりだの!」



僕はなんて言えばいいか分からなかった。




言いたいことなんて
山ほどあったのに。




「……康介って誰なの!?」



なぜか僕はそんな事を聞いていた。







「わしの戦友じゃー!」



おじいちゃんはそう言ったあと
ニヤリと笑いながら



「金づちのくせして三途の川なんて
翔平にはまだ早いわ!
早く帰れ!

みんな心配してるわ!」





僕はいつのまにか泣いていた。





「またいつか来るからね!!」




「ばあさんもいるし
お前はまだ来るな!
2人きりを邪魔するんじゃねえ!」






「…………わかった!」



おじいちゃんは笑った。




僕は出口に向かって走りながらも
おじいちゃんが見えなくなるまで
手を振り続けて行った。







「さようなら、また会う日まで!」




おじさんの声がしたと思ったら
急に目の前が暗くなった。