美雨は男に抱かれた

隣で眠る男のあまりにも美しい寝顔を見ながら、何故こんな事になっているのだろう、ぼんやりとそんな事を考えていた

美雨自身、

ああは言ったものの、まさか男が本気にするとは思っていなかった

適当に返事をはぐらかすだろうと思っていた

なのに

どしゃ降りの雨を見つめたままだった男は

美雨の顔を真っ直ぐに見据えると



『いいよ』



とだけ言った



確かに


言った


だから美雨も


自分の放った言葉を


取り消すことはしなかった