「ごちそうさまでした」

と、神村に言い、
雑貨店を後にする岡崎

日は随分と陰っているのに
まだまだ、アスファルトには
日中の熱が存分に残っていた

「暑いなぁ、七月だもんな」

そう言いながら、
駅に向かおうとしたとき

「岡崎くん?」

不意に
掛かったその声に振り向くとーーー

一人の女性が立っていた
思わず、息を飲む岡崎











そこにいたのは
かつて、岡崎が唯一
付き合った女性だった