モルフェウスの誘惑に

僕は

負けたんだ






ペンを拾うと美登は
また、デスクに座り
器用にペンを
くるくると回し始めた

何かを考えるでもなく
何かを忘れようとするために

ペンは規則正しく
美登の指先でくるくると
回り続けた










『モルフェウスの誘惑』