広々としたアトリエの中に置いてある
簡易ベッドで美雨は杜に抱かれた

あの激しく降る雨の日以来の事だった

まるで絵を描くように
優しく抱いてくれたあの日とは違って

今、
感情のままに体を重ねる杜に美雨は
少し、戸惑うと共に
愛されているんだという思いで溢れていた

そして
初めて抱かれたときには
貰えなかったキスを
先程から何度も何度も受け
美雨は幸せに満たされていた

「ごめん……
今日は優しくしてやれな……」

キスの合間に
掠れるような声で杜が言う

返事の代わりに
美雨はその華奢な腕を
目一杯、杜の首に巻き付けた

そして
美雨も唇が離れる合間に
囁く

「あいしてる…………」

と、

その日、
二人は漸く、固く結ばれた