私が小さな声で突っ込むと由羽さんに「もしかしてお酒苦手だった?」と尋ねられた。
「いえ。由羽さん見つめ過ぎです」
「あはは。なるほど…この頬は俺のせいか」
そういって由羽さんは私の左頬をそっと掌で触れる。
私はうるさいくらいに高鳴る鼓動を落ち着けるために質問をしてみた。
「そうやっていつも女性を口説いてるんですか?」
「美優姫は墜ちてくれる?」
「質問で返すなんてズルイな。でも魔法は本当でした。ご馳走になって良かったです。今度、友達誘って来ますね」
私は照れ臭くて席を立つ。
「もう帰るの?好きなだけ奢るって言ったじゃん」