私の頭の中で「美優とは結婚できない」という彼の台詞がずっと連呼していた。

ドン

「うわっ!!」


頭が真っ白なままフラフラ街を歩いていると人にぶつかりその場に倒れ込んでしまう。


「ちょっ…大丈夫?」


目の前に差し出された手を思わず見つめてしまう。


「あの?」


「あ…ごめんなさい」


出されたその手を取り立ち上がった先にはスッキリした美しい男性が心配そうに私を見ていた。


「具合悪いの?」


「いえ。すみませんでした」

私は頭を下げ立ち去ろうとすると彼がスーッと前に立ちはだかった。