香月さんの熱い吐息と唇が
微かに肩に触れるのを感じ
私の力は抜けていった。


「私…」


香月さんはどういうふうに
私を見てるんだろう?

こんな事されたら
本当に勘違いしちゃうよ?


「困らせてごめん」


そういいながら香月さんは
くるりと私を自分の方に向けると
ちょっと意地悪そうな笑みを
浮かべ言葉を続けた。


「今日のとこは解放してあげる」


「香月さん…ズルイょ」


私は泣き出しそうな顔を
隠す様にその場で俯いた。


「美優ちゃん…俺さ」


香月さんが何か言いかけた瞬間
香月さんの携帯が鳴った。