「ぎゅっぎゅる~」


明らかにアウトな音が自分の腹部からした。


「ゴメンちょっとといれ行ってくる。」


「誰か芸能人に会ったか」

という質問を振り切って今度はトイレへと急いだ。


トイレは会場から少し離れていた。


「あと少し」自分を励ましながら変な歩き方で進む。

トイレが珍しく男子用、女子用、男女兼用があることについては何も考えず男子用トイレに入った。


ほかに誰もおらず一番手前の個室に入る


そして無意識に紙の存在を確認


「ないっ」


汚い話が肛門の限界をこらえ次の個室へ


たったまま紙を確認


「ねぇっ」


結局男子用トイレ個室4つ

全室の紙が芯ごとないではないか


トイレにたどり着いたことに安心してしまって…


色々考える暇もなく男女兼用トイレへに入った。


手前の個室…


「ない」


2つ目の個室…


「ないっ」


3つ目の個室…


「…」


4つ目の個室…


「あれっ」


誰か入ってる…


「スミマセンッ紙ありません?カミ?」


人が入ってるのお構い無しに何度もドアを叩いた。


「はっ入ってマ~ス」



中から聞こえた気持ち悪い声には耳を傾けずに男女兼用トイレからでた。


辺りを見渡し目に入ったのは


「清掃中」のプレートがかかった女子トイレだった。

肛門は限界だが人としての理性と便意という本能がゆっくりと闘っている。


「清掃中」がせめてもの救いだった


「スミマセン紙くださいカミカミ~!」


「…」