「明日から一緒に遊べなくなるんだ」


綺麗に澄んだ濃紺の瞳が小さく揺れ、

子供心ながらに吸い込まれそうになった。


「ど、どーして?」


「…ごめんね」


「ゆーや、たちと

いっしょに遊んでても楽しくなかった?」


少しくせがかった絹のように細い髪が

左右に舞う。



「じゃあ次の夏休み、

また遊べるよね?」


また、ふるふると小さな頭が振られた。



「じゃ、つぎの、つぎは?」


ふるふる。


「つ、ぎの、つぎのつぎは?」


ふるふる。


「…つぎのつぎのつぎ、の」

「由宇夜ちゃん」



声を制するように男の子はまた首を振った。



「や、だぁ…」


自然に涙が込み上げて来て、

隣で小首を傾げている桜の手を握りしめた。