「どこなの?」


もう単刀直入に尋ねるのが一番手っ取り早いとズバンと聞くと、両親の肩がぴくっと震える。


「……し、知りたい?」


ヒクヒクと引きつり笑いのお母さんに、これ見よがしにと大きくゆっくりうなずいてやる。

っていうか、どんな職場か言わずに私を働かせるつもりだったんだろうか。


もしそうだとするなら自分の親ではあるが相変わらず非常識である。


「ただのお手伝いさんよっ!」


ただの、の部分をやたら強調させていたのを私は聞き逃さなかった。


「へぇー。どっかお金持ちの家の?」

「そうそうっ、ね、パパっ!」

「あぁ、そうだっ」


ふぅーん。


「誰の家なの?

ご近所さん?」



ビックウウウ


「……え?」