「めっちゃ良い顔、頂きました」

不適な笑みを浮かべて、デジカメの画面を見る葵。

「勝手に取らないでよ」

泣きそうになりながら点滴が終わってたから点滴の針を取って、デジカメを奪い取る。

不意に視線が重なる。

「雫…俺さ、出会ったばっかだけど…」

悲しそうに瞳を揺らして、視線を外さないまま真っ直ぐにあたしを見る。

「好き、なんだ」

君にまで、大切な人を亡くす痛みを味合わさせてしまうのか。もっと早く…もっと早く気付けていたら。

突き放す事だって出来た筈なのに。

「あたしも好きだよ?でも付き合えないから。あたしもうすぐ葵の前から…消えちゃうんだよ!?」

本当は嬉しかった。凄く凄く。でも同時に悲しくもあった。涙しかこぼれ落ちなかった。