点滴の音が聞こえてくる。一時間くらいこうして腕を固定したままだったので良い加減暇になって来た。
「何時まで寝てんだよ」
空いている片方の手で呑気に寝ている葵を叩いて起こす。寝ぼけてるのか大きな目は眠そうになっていた。
「あ~ね。オハヨ」
頭を描きながら同時にギターに手を伸ばし、スプレーみたいなのを吹きかけ手入れを始める。
「サビかけてるよ。ヤバいかも」
ブツブツと独り言を言いながら葵は更に綺麗にギターに磨きをかける。その目は本当にギターが愛おしそうだった。
ってかあたしの存在は完全無視ですか?
何時もやったら絡んでくるのに珍しい。諦めて歌を歌っていたら、突然シャッター音が聞こえた。
パシャッ