「楽しみにしとけよ」
───最初は冗談かと思っていたのに。
「新幹線に乗るって……本当だったんだ
ね……」
「だから新幹線乗るっつったじゃん?」
もうすでに現在新幹線の中なので、冗談
じゃないことがわかった。
どこにいくの、と訊いても教えてくれな
いし……。
あ、そういえば。
「ね、斗真」
「んー?」
「昔さ、私のこと子供扱いしたくても、
出来ないって言ってたじゃん。あれって
、どういう意味?」
そう尋ねると、斗真は懐かしそうに目を
細めた。
「……そんなこともあったな」
それから、ふ、と口元を緩め、
「そのままの意味だよ」