「ごめん!待った?」
「ううん。……ていうかまだ、10分前
だし」
そう言うと、斗真は苦笑いした。
「そうだよ。10分前だぞ?むしろなん
でもう柊がいんだよ……」
それは…。
斗真と遊ぶために着替えたりしてから、
リビングに行ったら、お母さんにデート
なのかと詰め寄られ、違うと言ってるの
にまるで信じないお母さんがめんどうに
なったから。
まあ、逃げてきたって事。
「……ちょっと逃走してきた」
そう言うと、へぇ?といいながら首を傾
げた斗真。あんまりよくわかっていない
みたい。当たり前だけど。
それから、斗真はニッコリ笑って。
「柊、可愛いね」
と言った。
「……。」
「あれ、無視?」