「私の存在以上にビックリすることなん
て無いんでしょ」
『え、なに。……本気?』
なにその「正気?」みたいな言い方。
向こうがプロポーズしてきたんだからね
!?
「本気……。クリスマスの日」
『ええーっ!おめでとう!すごいじゃん
美里!』
きゃーっと騒ぐ繭。
「やっぱりおめでたいこと、だよね?」
『当たり前じゃん!一生困らずに幸せに
暮らせるよ!それにイケメンだし、頭い
いし、次期社長だし……』
そうなんだよ。
それだけすごい人だから……躊躇う。私
なんかで本当にいいのか、って。
元気のない私に気付いてか、繭の声のト
ーンが少しずつ低くなった。
『もしかして……断るとか言うんじゃな
いでしょうね』