それをいうだけなのに、心臓はバックバ
クだし、喉はカラカラ。身体は一気に火
照った。
ふう、と一息ついて昂る感情を落ち着け
るも……。
『…………』
返答がない。
「もしもし?聞こえてる?」
『……え!?あ、ご、ごめん…電波悪い
みたい。もっかい言って』
「だから……辻宮にプロポーズされちゃ
った」
『ごめん、もっかい』
「辻宮にプロポーズされちゃった」
『ごめん、も……』
「繭!?聞こえてるでしょ!」
何回言わせたいの!?
もう、と繭にちょっとすねたように言う
と、ごめん、と声が帰ってきた。
『え、なに、ドッキリ?カメラどこに仕
掛けたの』