ニコニコしながら中に入っていくと、そ
のまま店の奥まで連れていかれ……。
「ごゆっくりどうぞ」
案内されたのは、お店の奥の方にある個
室だった。
「俺の事贔屓にしててくれて、俺専用の
個室なんだ、ここ」
ソファーに凭れながら自慢気にそういう
辻宮。
「それに、個室だったら美里に気兼ねな
く触れるし?」
……それが本音ですか。
「ねえ辻宮、私、変態は好きになれない
からね?」
もう馬鹿馬鹿しすぎて、敬語も疲れちゃ
ったよ。
「ん?それがなに?」
「辻宮は変態だよね?」
「……それ、認めるのもどうかと思うん
だけど」
メニューを見ながら苦笑いする辻宮。
だって変態じゃん。行動と言動が。