ふと、何かに気付いたようにそう言った
辻宮が、そこで一旦言葉を切り。
ずいっと顔を近付けてきた。
「……!!?」
ちょ、ちか…近ーいっ!
ボボボッと真っ赤になっていく私に、妖
艶に微笑む辻宮は。
「……緊張、してんの?」
聞いただけで鼓膜が溶けちゃいそうな声
で、そう囁いた。
「……意味わかんない……です」
「昨日の事、意識しちゃってる?」
クスクスと笑う辻宮に、それが図星だか
ら何も言えなくなっていく。
そう。
気にしないように、辻宮と距離を取ろう
と意識したらこうなったんだ。
「そんなことな……」
「なあ、キスしていー?」