都会のくせに、あまりにも街の灯りが少
ない。



ふと、下を見ると、この大きな家以外に
は家は見えなくて。



ただ、森に囲まれていて。



その向こう側で、すごく小さく、それこ
そ星のように、街灯が地上を埋め尽くし
ていた。



「この家、森の中にあるの……?」



だから今まで、この家の存在に気づけな
かったのか、と納得していると。



「森の中にっていうか、この森が全部、
俺の家だけど」


「……は!?こ、この森、あんたの!?



「まあ、正確には辻宮家の、だけど」



……普通じゃないとはおもってたけど。
ほんと、すごすぎる。



「……なあ、俺と初めて会ったときの事
、覚えてる?」



私の隣にきて、空を見上げながらそう言
った辻宮。