うん、と辻宮が頷く。 「───ちょっと、抜けるか」 抜けるか、と言った辻宮に連れてこられ たのは、ベランダだった。 「……わぁ、すごい!」 そこに広がる満点の星空に、思わず感嘆 を上げた。 こんな都会で、こんなにも煌めく星がみ られるだなんて! 引っ越す前に居たときは毎日見れたけど 、都会に来てからは初めてだ。 「すごいだろ、ここ」 「うん!すっごいキレー!」 そこであることに気付いた。