そう言って私の手を引いた辻宮が、やっ
ぱりいつもとどこか雰囲気がちがくて。



いつもよりも大人っぽくて、それでいて
その視線が柔らかいから……調子が、狂
ってしまうんだ。



そして、夜7時。



『本日は、辻宮グループ主催、クリスマ
スパーティーにご来場下さり、ありがと
うございます。聖なる夜を、存分にお楽
しみ下さい』



私は、目の前で優雅に挨拶している我が
ご主人様を、呆気に取られたように見て
いた。



……すご…。


態度がでかいだけあって、ちゃんとやる
ことはやれるんだ……それに、この会場
広すぎる!



すごく広い会場に、眩しく煌めくシャン
デリア。



しかも私が座っているのは、まるで特等
席とでもいうような場所だった。



会場全体を見回せる、といった方がいい
のだろうか。



階段を上って、その場に椅子が二つとテ
ーブルが用意されてあり、そこに私は座
らされている。