やだ、こういうの。
いつもお茶らけてるくせして、いきなり
マジな顔になって───……。
逃げようとしたって、キツく、捕らえて
、離してくれないんだ。
「な、に……」
「あとで大事な話があるから───逃げ
るなよ?」
ゾクッとするような低い声で言われて、
ブンブンと首を縦にふる。
逆らったら殺される。本気でそう思った
。裏を返せば、それほどに辻宮が本気だ
った。
「じゃあ夜7時まで何する?」
さっきとはうってかわり、コロッと雰囲
気を柔らかくして、そう訊いてきた辻宮
。
……だから、その切り替えの上手さは一
体なんなのよ。
ていうか……。
「さっきのメイドさんも、夜7時がどう
たらこうたらって言ってたけど……7時
になるとなにがあるの?」