じゃあ無理強いするわけにもいかないし
……。
「すいません、引き留めちゃって」
「いいえ。ごゆっくりどうぞ。7時まで
にはまだお時間がありますので」
では、と会釈して去っていったメイドさ
ん。
7時まで……って。
7時になったら何かあるってことなのか
な。
ふう、と息をついて、もう一度ドアを見
上げる。
……逃げたいな。
でもパジャマどっかに持ってかれちゃっ
たし、このドレスで出るわけにもいかな
いし。
「……どうにか抜け出す方法……」
「教えてやろうか?」
「あ、本当ですか?」
願ってもない返答に、わずかに頬を緩ま
してから、ハッと我に返る。