やっぱり金持ちの考えてることはわから
ない、とボーッとしていると。
「はい、仕上がりましたよ！」
と言われて、手鏡を渡された。
メイクなんてめったにしないし、したと
してもグロスくらいでとてもじゃないけ
どメイクとは言えないようなもので。
だからちゃんとメイクしたらどうなるん
だろう。かなり変な顔になってるんじゃ
ないかな、なんて心配していたけど。
「……えっ！？」
違う意味で驚愕した。
だって鏡の中の自分は、それこそ見た目
だけなら、すごく上品そうな大人の女性
って感じだったから。
「……すごい…」
いや、自分の顔を誉めるわけじゃないけ
どね？
私の顔をここまでにしてくれたぞの技術
が凄いっていうかね？うん。
