薄い紫を基調としたドレス。控えめにふ
んわりとした裾は、床につくほど長く。



ラメの入った生地と、所々に散りばめら
れた、高級感溢れる宝石。……まさかこ
れ、本物じゃないよね?



胸元は大きく開いて、肩の出るタイプ。
ふんわりと膨らんだ袖と、胸元は黒いレ
ースで縁取られていた。



ウエスト辺りはキュッと絞まっていて、
胸が強調されている。



髪の毛はふわふわと巻かれてあって、右
側の髪の毛を耳にかけて、紫のバラのピ
ンを付けられた。



「まぁ……とてもお美しいです」



部屋に何人か居たメイドさん達が、ほう
っとうっとりしたようにそう言う。



「いやいやいやいや!?え、これ何です
か!?」



「次はメイクをしますので、こちらにお
掛けください」



わぁ、綺麗なスルー!



さっきまでパジャマだったのに、なにこ
れ。なにこの変わりよう!?