「誰蹴ってんだ…よ……――――」
野郎だと思ってただけにびっくりした。
お……女?
「ごめんなさいっ!ドアの近くで…えっと…気づかなくってその…」
ごにょごにょと口ごもってしまった。
目の前にいるのは女。
しかも…
可愛いし…。
光に触れないと分からないくらいのダークブラウンのロングヘア。
白い肌、ピンクの唇。全体的に華奢な体。
一瞬にして俺はコイツに引き込まれていた。
やっべぇ…すっげ可愛い…
「あの…大丈夫でしたか?」
声をかけられて はっと我に返る。
何可愛いとかふざけたこと考えてるんだ俺は…
「まぁ、それなりに」
「それなりに?!」
焦ったようにあたふたと俺の周りを動き回る。