ニヤっと不敵な笑みを浮かべてるのが自分でもわかる。
はぁ…何年たっても俺はコイツにぞっこんだな。
「なぁ…」
「な、なに…」
ギャラリーが俺たちの周りに集まってきた。
喧嘩ばっかしてる色恋沙汰には興味なさそうな俺みたいな不良が小さい女に抱き着いてる絵なんて
周囲からすればもってこいのネタだろう。
けど俺はそれも読み取れないくらい、今の自分を忘れて 昔の幼馴染として舞い上がってた。
「ずっと言いたかったことがある……」
「……あたしも」
いっそう抱き合う力が強くなった。
まるでお互いが言うことをわかってるかのように。