中学2年の時、親父が交通事故で亡くなってから俺はしばしば喧嘩を繰り返すようになった。
『かかってこいや、コラ』
うたい文句のように言い続けた。
それは、家族を一人失った悲しみを紛らわせるためでもあったけど
何より…
‘強くなったらちぃと一緒にいられる’そんな儚い思いが心のどこかにあって必死に強くなろうとしたんだと思う。
今じゃ、もう悪目立ちするくらい喧嘩で有名になった。
それをどう見てるか知らないけど。
――――――――過去を振り返るたびにほほえましいな、やっぱり。
そう思って…気づくと俺は、ちぃを思い切り抱きしめていた。
細い体が折れてしまいそうなくらい。
ここにちぃがいるんだということを再確認するように。
「ちょ、こーたちゃん?!///人いっぱいいるっ」
「いいだろ…久しぶりに会って俺も興奮してんだよ」
「だからって今抱きつかなくても!//」
「今じゃないと‘僕’嫌だなぁ」
意地悪で言ってみただけだったのに、効果は抜群だったらしい。
みるみるうちに触れてる部分の熱が高くなるのがわかった。
「……やっぱり、こーたちゃん変わらないや」
「あっそ…」
「とりあえず…離れましょうか。みんな見てる…」
恥ずかしそうに俺の腕をほどこうとするがそんな簡単に逃がすわけねぇだろ。