落とした桶を総司は拾い上げて、ふでにわたした。
ふで「お、おまえには関係のないことだよ!夕餉の支度の邪魔さね!」
総司「それより、沙彩を着替えさせていいですか?濡れたまんまじゃかわいそうじゃないですか?」
ふで「ふん!勝手にしな。着替えたら手伝ってもらうよ」
総司「はい、わかりました。…いこう」
「え、…あ」
沙彩がふでに頭を下げる前に総司は沙彩の腕を引っ張った。
「お、沖田さん!!あの、ちょ」
総司は自分の部屋に沙彩を押しこんだ。
総司「脱いで」
「は?!」
総司「かぜひくよ?」
「ちょ、あの、いまここでですか!?」
沙彩は自分の濡れた着物をぎゅっと握る。
総司「脱がされたくなかったら、自分でやりなよ」
「っ、…み、みないでくださいよ?」
総司「さあ、それは保証できないけど、こっちを向いておいてあげるから、早くしないと、またふでさんに怒鳴られちゃうからね」
「っ…」
沙彩はいそいそと着替え始める。
総司が用意してくれた着物に着替えた。