沙彩は土方の部屋を後にした。
が、
すぐ曲がり角の廊下で足を滑らせた。

膳からは皿や茶碗などが落ちて割れた。



ふで「おや、まあ」
「!?」
ふで「ちゃんと片付けをしておきな。破片一つでもあったら許さないからね」
「は、はいすみません」
ふで「ふん」

まるで見ていたかのように登場さそ、ふでは転がっていた半分に欠けた茶碗を足で蹴って沙彩の前を後にした。

「…?」
(…?水?)
転んだ曲がり角には少し水がまいてあった。転んだのはこれが原因とみて間違いない。

「…」
沙彩はため息をついた。こういったふでのいじめは頻繁に行われていたからだ。



「大丈夫かい?」
「?!こ、近藤さん…」