落ちていくカップに手を伸ばし食い止めようとすると私より先に獅子さんの大きな手が伸びて上手にカップを受け止めた。 「ふぅ...」 「すみません」 大切なカップなんだって思った。床スレスレに落ちるのを食い止めるんだもの。 「あのな...別にカップが割れるから困るとかじゃなくて...」 じゃ無くて、迷惑だって事ですよね? 泣きそうだよ。 下唇を噛み獅子さんの逆くの方へ目をそらすと獅子さんは、軽くため息を吐き...