「荷物ここに置くぞ」 獅子さんの家の2階で荷物を広げ、かれこれ2時間は片付けていた。 今日は、言うまでも無く朝早くから大きなトラックが家に停まると、あれよあれよとしている間に荷物は運び出され 気づけば鞄を片手に玄関先に立っていた。 「牡丹、忘れ物は無いか?」 私の横に立ち、家全体を見渡す獅子さん。 「うん」 「挨拶は済んだのか?」 済んだけど...やっぱり寂しいような気もする。