なのに冷静を失った私は、自分の事と仕事の事を重ね勢いで家を出て来た。 これじゃ獅子さんのしてきた事が台無しだよ。 叔父さんに《そんな事も出来ない、人間の下で働かせるなんてもってのほかだ!》って言われても、おかしくないよね。 怒ってるよね、獅子さん。 もう一度、ため息を吐くと獅子さんをチラリ見つめ肩を落とした。 「牡丹...」 やっと声をかけてくれた。 「は、はい...」