「大人って理不尽だって思うよな...少なくとも10代の頃はそう思ってた」 どうして、ここに獅子さんが居るの? 「どうして...」 「どうしてって...お前、自分では足早いと思ってるのか?国体並みに早い俺の足に勝てると思う?」 獅子さんは、濡れたままクローバーの上に膝を落としていた。 「あの...濡れますよ」 「お前も、びっしょり濡れてるけど」 濡れたくて濡れてるわけで...