ドキッ・・・

やばい・・・。

この人すんごいかっこいい・・・。

左耳の軟骨にひとつだけ開いたピアス。

180ぐらいある身長。

すらっとした高い鼻。

薄い唇。

大きい目。

いい感じにぐちゃぐちゃな髪型。

完璧とはまさにこのこと。

こんな人が彼氏だったら「チッ。」


・・・え?

今の舌打ち?

てか誰が?

状況が読めないあたしをよそにしゃべりだすイケメン。


「なぁ。いつまでそこにしりもちついてるわけ?あんたが邪魔で通れないんだけど。」

・・・この人口が動いてる。

やっぱりこの人が言ったの?

性格最悪だ・・・・。


「・・・すいません。」

あたしは立ってスカートのプリーツを直した。


「あんた何急いでんの?」

「いや・・・もうチャイム鳴っちゃったから・・・。」

「はぁ?あれ予鈴だけど?そんなくだらねぇことで俺にぶつかったわけ?」


・・・・・・・・えええぇぇええぇ!!??

「ほっ・・ほんとですか!?それじゃあまだ遅刻じゃないんですか!?」

「声でけぇよ。うるさい。予鈴っていってんだろ。」

よかったぁ・・・。

だからみんな歩いてたのかぁ・・・。

でもこのイケメンすんごいむかつく!!

早く逃げよ。

「あっありがとうございました!!それとすみませんでした!!それではっ!!」


あたしはそれだけ言ってまた走り出した。


「うるせぇ女。」

彼がこういっていたのも知らずに・・・。