「なぁ、帰ろ。」

ドキン・・・。

なによ。

さっきは目そらしたくせに・・・。

「・・・うん。」

まぁこんなこと思っても断れないのがあたし。

もうみんな帰りだして教室にはあたしと原のふたりきり。




門をでても無言の原。

・・・なんか気まずい。

「あのさ!!マフラー・・・どうすればいい?」

「・・・もってていーよ。どうせもうあったかいから使んないし。」

・・・いつもの原なら「お前の使ったやつなんかいらねーよ。」

とかいったのかな・・・。

あたし無理させてるのかな。

「・・・なんかごめん。」

「フッ。誤るなんてらしくないじゃん。」

言い返せない。

なんかさっきよりきまずくない!?

でもそれを破ったのは原。

「あっ。そーいやこれ・・・あげる。」

そういって「アップルティー」と書かれたペットボトルを渡された。

「え・・・。いいの?」

「うん。寒いし。」

ペットボトルには「HOT」とも書いてある。

「・・・これいつ買ったの?」

「昼休み。」

・・・だから冷めてるんだ。

「原・・・。もう冷たくなってるよ?フフッ。」

「・・・家であっためて飲めよ。」

・・・いつもの原にもどった。

あれ?

理想では「口悪くしない」だったのに。

なんでいつもの原に戻ったことがうれしいの?