「えっ大輝!?」
翔がびっくりした声で言う。
「わりぃ翔。さっきのこいつとの会話、忘れてやって。」
あいつの透き通った声に安心してしまう。
「いやっ。お前が今してることにびっくりして既に忘れた!!」
「そ?お前が馬鹿でよかった。さんきゅー。」
原に抱きしめられてるせいで翔の顔も原の顔も見えない。
この二人は友達なのかな?
「・・・今の二人の状況も忘れたほうがいい?」
翔が笑い混じりに言っている。
確かにこんな状況忘れてほしい。
「原・・・はなし・・て。」
泣くのを我慢してるからすらすら話せない。
「別に忘れなくていいよ。てか俺ら昨日から付き合ってるからハグくらい普通だろ。」
・・・・はいぃ!?
反論したいのに原が顔を押し付けてきたから話せない!!
絶対わざとだこいつ!!
「・・・マジかよ。」
「そーゆーこと。じゃあな。」
原はそういってあたしを抱きしめたまま歩き出した。