「理想が高い、ねぇ?」

「・・・うん。あたしは″あたしの理想″に完璧にあう人じゃないと付き合わない。」

さいていでしょ?と付け加えて話したあたし。

怖くて原の顔が見えない。




「・・・俺が演じてやろうか?お前のくだらねぇ理想ってやつに。」



・・・・はいいぃっ!?

「え・・や。あの・・・。」

「あ?なに?」

「原は・・・。あたしのこと嫌いなんでしょ?なんでそんなこと・・。」

「・・・誰にも言うなよ。俺さ、実は俳優目指してるんだよ。」

無表情のまま言う原。

でもその整ってる顔が説得力ある。

「・・・まじ?」

「あぁ。いい機会だしお前の理想を演じる。一石二鳥じゃね?俺は役作りの練習できるし

お前は本当にお前の理想の奴と付き合えて幸せなのか知れる。」

「そっそうだけど!!あたしといて嫌じゃないの?」

「嫌だよ。でも夢のため。」

・・・やな奴。

「じゃあ明日お前の理想を紙に書いて学校もってこいよー。」

そう言いながら歩き出す原。

「あっ原!!!あの・・・マフラーありがと!!」

あたしが立ち上がって言うと無視して歩き続ける原。


あたしが原にすべてを話すのはもう少し先の話。