結局、私たちはアイスの話をするだけで
時間が過ぎてしまった。


お互いのこと知ることが出来なかった。
知ることが出来たのは
学校と名前だけ。
あとは憶測。


「そろそろ時間だから、私帰るね。」


色々と打ち解けて
タメで会話ができるまでになった。


「おう!そっか。んなら俺も帰るとすっか。」

お互い自転車にまたがり

「俺いつもここにおるから、見かけたら声かけて?」
「分かった。」
「なら。」


そうして私たちは家へと帰った。



家ではお風呂に入って考え事をしていた。
今日はたまたま男友達に会っただけ。
なのにどうして、こうも胸が痛むのだろう。

ましてや恋なんかではないよね!?



「恋」というものが分からない私には
この答えも分からない。


気分は最悪。


モヤモヤが晴れないのが憎たらしい。



もし、もしこれが恋というものだとしたら
どうして皆は恋をしたがるのだろう。

胸は痛いし、気分はモヤモヤするし。
いいことのほうが少ない気がするよ?
皆がおかしいのか。
私がおかしいのか。

答えは見つかるはずがない。


だって「恋」を知らないのだから。