「はい、どうぞ。」
「あ、ありがとう。」

慣れない手つきでアイスをもらう私。

そんな私が気になったのか
「ん?」
なんていいながら顔を覗き込む。


私はこんなに恥ずかしいことはあるものか。
と思いながらもアイスをほおばる。


急に隣のやつが騒ぎだした。

「イエーイ!当たったぜっ。この苺なかなか
当たんなかったんだよなあ。」


どうやら
棒アイスについてる当たりの文字が
そうとう嬉しかった様子。


そんな奴が少々気になり
「そんなに嬉しい?」

って質問しちゃった。

すると彼は
「当たりも嬉しいけど苺味で当たったことが
最も嬉しい。」

とか訳の分からない答えを返された。


ふーん。ただ苺が好きなだけか。


「苺が好きなんですね。」
私は再度確認をしてみた。


「うん。あの甘酸っぱさが最高だねっ。」

「えっ!?普通甘さでしょ?」
「いいや違うね。甘さだけが苺じゃないからなっ」


とやけに熱く苺を語り出してしまった私たち。

そんな言い合いが馬鹿らしく
感じてきてしまい笑いがこみ上げてきた。



最初は何てひどい奴だ!と思ってたけど
案外話しやすくて、優しい人だったんだなぁ。

外見だけで判断してはいけないとは
このことだったんだな。



…勉強になる。