「ば、馬鹿って…」
「話し、長げぇんだよ」
「…ごめん」
「また何で謝ってんのかもわかんねぇし」
「だって…」
「なぁ、一つだけ条件だしてもい?」
「何?」
「俺を振るなって事」
「何それ」
「俺、振られんの嫌いだから」
「アンタ、何様な訳?真剣に言ってんのに」
そう言ったあたしに颯はフッと笑みを零し、更にあたしの身体をキツク抱きしめる。
その 颯に受け答える様に、あたしは颯の背中に腕を回した。
「だって俺、美鈴の事、絶対振らねぇ自信あっから」
「あたしだって」
「じゃあ、もう一つの条件」
「何?」
「俺、すっげぇ欲求不満だから毎日ヤらねぇとダメだわ」
「ちょ、何言ってんの!?」
思わず抱きしめていた颯の身体を慌てて離す。
そんなあたしに颯はクスクス笑みを漏らした。
「それでもいい?」
意地悪っぽくそう言う颯に思わず顔を顰める。
「それ今言う事じゃないじゃん」
「だって必要範囲だろ」
「やっぱ颯って馬鹿。いいムードブチ壊しじゃん」
フイっとそっぽを向くあたしに颯は笑いながらあたしの頭をクシャリと撫でた。