「俺の所為でって思ってっから。元はと言えば俺が頼んだからこーなって、だから自分で何とかしなくちゃいけねぇって思ったから。…だから別にお前に言う必要ねぇじゃん」
「あたしが係わってんのに?」
「もう、終わった事だろ」
「颯が終わってても、あたしは終わってないんだよ」
「……」
終わってないの。
好きで好きで仕方がないんだよ。
「勝手に自分一人で決めないでよ。勝手に彼女役頼んで勝手に終わらせて、勝手に何もかも片づけて、何もかも一人でしないでよ」
「……」
「自分がそれで良かったら終わりな訳?じゃあ、あたしの気持ちはどーなんの!?」
「……」
「…助けてよ。颯が居ないとダメなんだよ」
「……」
「なんかあったら助けてやるって言ったの颯じゃん。だったら助けてよ」
「……」
「スキなの、颯の事」
溢れだした気持ちは止まらなかった。
出会いがどうであれ、好きになったら仕方がない。
颯が“助けてやる”そう言った時から気持ちが進んでたのかも知れない。
俯くあたしは目を瞑った。
もう言っちゃったから仕方がない。
長い長い沈黙が続いた時、
「馬鹿じゃねーの、お前」
そう言った颯の声に思わず顔を上げた瞬間、フワッとあたしの身体が颯に包まれた。