「だって、颯があたしの事で揉めてるから」

「は?」


更に顔を顰めた颯の目にはもうメガネは掛けられてない。

そして手の包帯もなにもない。


「手…怪我してたの、あたしの所為でしょ?」

「手?」

「うん、その所為で颯、停学になってたんでしょ?」

「つか、そんな昔の事?」

「昔じゃないじゃん。最近じゃん」

「あー…そっか」


別にどうでもいいような颯の呟き。


「目、大丈夫?メガネしてたでしょ?」

「つかよく知ってんな。お前は俺のストーカーかよ」


クスクス笑う颯に、「そうかも」小さく言ったあたしの声に、颯はあたしから視線を逸らした。


「で、何?」


そして一瞬で表情を変える颯。


「どうしてそんな事すんの?」

「何が?」

「だから何であたしが知らない所で、あたしの事ばっか解決してんの!何で何も言わないの!?」

「だから俺とお前はそーいう関係じゃねぇじゃん」

「だったら何であたしの事でそんな停学になってんのよ」


手だって怪我するし、目だって負傷するし、おかしいじゃん。