「あー…あのさ、ちょっと付いてきてほしい所があんだけど」
「は?」
突然の言葉にあたしは唖然とする。
「だーから、俺に着いて来いって」
「何で?」
「用事あっから」
「だったら一人でどうぞ」
「一人じゃ無理だから」
強引って言う男はまさしくコイツみたいな男の事を言うに違いない。
行き成り掴まれたあたしの腕。
嫌だと腕に力を入れても必然的に着いて行ってしまう足がムカつく。
あたし、今そんな気分じゃない。
認めたくないけど、振られたの…
「ちょ、ちょっと!!あたしまだ行くって言ってない!!それに授業が…」
声を張り上げたあたしの声で、ピタっと止まった男の足。
それに同じくあたしの足も止まる。
「ここにいるっつー事はサボリじゃねぇの?」
「いや、ただあたしは…」
「ただ、あたしは?」
視線を逸らしたあたしの瞳を追いかける様に男は覗き込んで来る。
こうやって前に立つ男は160センチのあたしを遥かに越え、180近い。
そしてその覗きこまれる威圧感にどうしようもなかった。